短い言葉が心に深く刺さるのはなぜ?
今日はそんなテーマをお伝えしますね。
親からの一言、恋人からの一言が、ずっと胸に残ることはありませんか?
「バカ」「重い」「最低」――たった数文字の言葉なのに、ずっと心にひっかかってしまう。そんな経験、きっと多くの人が持っていると思います。
実は、言葉は短ければ短いほど、人の心に強く影響を与えるのです。その理由を、心と言葉の関係からひもといていきます。
短い言葉が心に残る理由
1. 意味が圧縮されているから
「おいしい食卓」、「No music No Life」など優れたCMや広告のコピーライティングには、いつまでも記憶に残るものがありますよね。あれは意味が圧縮されていて、脳にするっと入りやすく、想像しやすいからです。
それと同じで「バカ」「キモい」「重い」「デブ」などの短い言葉は、それだけで人格や感情を否定してしまう強いエネルギーを含んで、脳に簡単に入ってイメージをかきたてます。
説明しなくても、相手の脳内で勝手に補完され、深く刺さるのです。
2. 頭の中で繰り返される
短いは便利です。店名や商品名を検索しやすいし、見つけやすい。言葉もそれと同じで、短いほど、脳が見つけやすい位置に長期間保存してくれます。
そのためシンプルで短い言葉は、記憶に残りやすく、ふとしたときに何度も思い出されます。保存しておいても負担がないので、長い間保管してしまうのです。
さらにやっかいなことに脳の連想機能で「やっぱり私ってダメなんだ」そんなセルフトークに変化して、無意識の思い込み(セルフイメージ)になってしまうのです。
3. 信頼していた人からの一言は“真実”になりやすい
親、先生、恋人、パートナー。信じていた人から言われた一言は、自分を形づくる基準になってしまいます。「バカ」と言われた子どもが、大人になっても自分を“頭が悪い人間”だと思い込むのは、この影響です。
言った相手を、自分をバカにする人、見下している人など、頭の中で繰り返しが何度も行われると人間嫌いになる要因にもなります。
4. 説明がないと、自動で想像と連想で心を傷つける
人間は「重い」とだけ言われたとき、「なにが重いの?」「どうして?」と理由がわからないことに、余計に不安や自責の念が強まる機能が脳にあります。
脳は「わからない」ことに、必ず答えを求めるので、想像と連想で補おうとし、自分で自分を傷つけるのです。
説明がつく情報が理解できている中から探すので、たいした理由などなく言っている。愛情表現が下手なんだ。この人もそう言われて育ったんだな。など過去にコミュニケーションをした相手・小説やドラマでのやりとりで、わかっていれば、受け取り方も変わるのですが、身近な相手・親しい相手ほど、傷つきやすくなるのは、言葉の効果からも、脳の仕組みからも自然なことです。
相手が言ったことを憶えていない場合がほとんどなのも、腹が立つものです。
だからこそ、短くてあたたかい言葉を使おう
反意語というものが言葉にはあります。短い言葉が「刃」になるなら、「光」になる言葉も存在します。
- ありがとう
- すばらしい
- ありがたい
- すすんだ
- 大丈夫だよ
- すてきだね
- いてくれてうれしい
傷ついた言葉で過去に引き戻されるなら、未来へと導く言葉があります。それが、「ありがとう」という感謝・「すばらしい」というねぎらい・「すてきだね」という賞賛する言葉たちです。
他人を変えることはできません。変えられるのは自分だけです。
言った相手が、あなたを傷つけない人に変わる希望を持つ前に、あなたが言葉に傷つかないようにする方が幾億倍も簡単です。
「自分の内側で何度も繰り返される言葉を変えられるのは、自分だけ」
傷つく言葉を残したくないのに、憶えたままでいる。それは自分を傷つけるだけ。
バカには、機転がきく
重いには、気づかえる、よりそえる
など、自分が本当はどうしたいか?
自分が言われたらワクワクしたりテンションが上がる言葉に反転させてみましょう。
反転できない場合はセッションでお手伝いしています。
おわりに|言葉は、誰かの人生を変える力がある
毎日使っている言葉。その“たった一言”が、誰かを笑顔にしたり、自信を取り戻させたりします。
何気ない言葉こそ、大事にしたい。そんな気持ちで、今日も自分に優しい一言に反転させてみませんか?
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