「なんだか、わからない・・・」
そう思ったとき、体の内側で何かが“停止”するのを感じたことはありませんか?
今日は、「わからない」という言葉の正体を探りながら、それがどのように私たちの行動や選択を止めてしまうのか、そしてそこから抜け出す方法についてご紹介していきます。
語尾マネジメントの白鳥徹です。
私たちは、「わからない」という言葉が出た瞬間に、思考も、感情も、行動も、すべて止まってしまうことがあります。
それはなぜでしょうか。
なぜ「わからない」と言うと、行動できなくなるのか?
人は“正解”を求める生き物
子どもの頃から私たちは、「テストで正解を出すこと」「間違えないこと」「目上の人の言うことを聞くこと」に価値を置かれてきました。
だからこそ、「これは合っているの?」「この選択は間違ってない?」と、つい正解を探してしまいます。
ところが人生って、テストみたいに、◯か×かでは計れないものばかり。
それなのに私たちは、無意識に、はっきりとした答えを知ってからでないと、動いてはいけないような気がしてしまうんですね。
曖昧さへの耐性が下がっている現代人
さらにスマホの普及に加え、Aiによって、情報が身近にあるこの時代、「検索すれば何でもすぐに好みの答えが出てくる」ことに慣れてしまっています。
自分が欲しい答えを、欲しいときに、欲しい表現で得られることで、曖昧なこと・先が見えないこと、気に入らないことに対して、不安や敵意を抱きやすくなっています。
「どう動いていいかわからない」
「この先が見えないから決められない」
その結果「なにかのせいにしないと、やっていられない」
そんなふうに立ち止まってしまったり、誰かのせいにしたくなるのも、決してあなたが弱いわけではなく、情報社会で生きる私たちの“あるある”なのです。
「わからない=間違えるのが怖い」という無意識
「わからない」と感じるとき、私たちの奥底には
「間違えてしまったらイヤ」
「誰かに否定されるのが怖い」
という無意識の恐れがひそんでいます。
実は、動けない原因は「わからないこと」そのものではなく、
「わからないまま動いて、失敗すること」への不安が、生きていけるのかわからない強烈な恐れに結びついてしまうのです。
「わからない」は本当に“知らない”のか?
想像がつかない=「わからない」と認識する仕組み
たとえば、新しい働き方や、初めて会う人との関係、未知の土地への引っ越しなど
新しい取り組みをするとき私たちは、頭の中で未来のイメージを組み立てようとします。
でも、もしそのイメージが“映像として”浮かんでこなかったら?
「よくわからない」「うまく想像できない」=「ムチャ」「ムダ」「ムリ」という結論になっていくのが自然です。
でもそれは、「知らないからムリ」なのではなく、
「想像ができないから“わからない”と感じているだけ」なんです。
抽象的な表現に弱い脳の特性
たとえば「幸せになろう」とか「自分らしく生きよう」といった言葉は
とても大切なテーマで、「そうなりたい!」「そうなるぞ!」と思うでしょう。
しかし実は多くの人が、「具体的にはそれって、どういうこと?」と戸惑います。
それは、脳が“曖昧なもの”よりも、“具体的なもの”を好むから。
抽象的な言葉を前にすると、脳は「処理できない=わからない」と反応し、心は「行動を保留する⇨あきらめる」方向に動いてしまうのです。
言葉にできない感覚は“ない”ことにされる
「なんとなくモヤモヤする」
「なぜか、踏み出せない」
そんな気持ちを抱えたとき、言葉にできなければ「自分でも理由がわからない」状態になります。
この“言葉にできない”状態が、「わからない」感覚=「怖くて動けない状態」を強めてしまうのです。
けれど、本当はその感覚を感じていると気づくと動けるようになります。
とはいっても、怖いという感覚を見にいける人は、ホラー好きなど限られる人なので、言葉のアプローチが必要です。
「わからない」を越えるための3つのアプローチ
①「わかるまで待つ」のではなく、「仮に動く」
多くの人が「納得してから動こう」と思っています。
けれど実際には、動いたあとに初めて、腑に落ちることの方が多いのです。
完璧にわかってから動くのではなく、“仮にやってみるとしたら”という軽さで試してみること。
それだけで、想像できなかった景色が、少しずつ輪郭を持ち始めます。
②「具体的にしてみる」想像力の起動法
「わからない」と感じるときは、頭の中が“ぼんやり”している状態です。
そんなときは、自分にこう問いかけてみてください。
「ヒントをえるには?」
問いを通して、少しずつ“具体的に切り分ける”ことで、
「完全にわからない」状態から、「一部はわかっている」に変化します。
これが、想像力を動かし始める第一歩です。
自分が知らないことでも、誰かが知っています。
それを身近に、簡単に得られるのがスマホとAiです。
*知っている人を頼って聞くのが一番効果的です。
③「わからないまま進む」力を育てる
本当の意味で自分を変える力は、
“わからないままでも進める力”を持てるかどうかにかかっています。
それは、「不安を感じなくなる」ことではなく、
「不安を感じる、自分を信じてみる」こと。
完璧じゃなくても、正解じゃなくても、
「自分を信じる」
先が見えない明日を、希望の未来へと変えていくためには。
自分を信じるが必ず必要になります。
「わからない」と言いたくなったときに使いたい“語尾変換”
●「わからない」 → 「ヒントをえるには?」
わからないのは、どこに向かうかわからない状態です。
方向性を決めるためのヒントを得ようとすると
脳は“希望”を感じ取り、思考が未来に向かって動き出します。
●「まだはっきりしない」 → 「具体的にするには?」
「具体的にする」という言葉には、“意志”や“過程”が感じられます。
“進行中の存在”として自分を認識できるだけで、気持ちは軽くなります。
✔︎語尾を変えると、未来の見え方が変わる
ほんの一語の言い換えで、
「わからない私」から「進もうとしている私」へと視点が変わり、
世界の見え方まで変わっていきます。
まとめ|「わからない」は、次の一歩の種になる
「わからない」と感じているその瞬間こそが、
新しい一歩を踏み出す“入り口”なのです。
大切なのは、「わからない」から目をそらすのではなく、
やさしく問いかけること。
行動とは、大きな決断から始まるものではなく、
小さな“語尾の変化”から始まることだってあります。
今日、ひとつだけやさしい言葉を選んでみてください。
それが、明日のあなたをつくる第一歩になります。
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